大学生の4人に1人「平均」分からず 数学基本調査、論理力欠如明確に

ちょっと刺激的なタイトルでしたので調べてみました。

http://sankei.jp.msn.com/life/news/120224/edc12022423040001-n1.htm

元記事によると

大学生の4人に1人は平均の意味が分からず、マークシート入試が中心で論理的思考力が低下している−。日本数学会が24日、発表した大学生数学基本調査の結果から数学に弱い大学生の実態が浮き彫りになった。同会は「論理を正確に解釈する能力や整理された形で記述する力が不足している」と分析している。

この調査結果は日本数学会のホームページに記載されています。
日本数学会・「大学生数学基本調査」に基づく数学教育への提言

このページの報告書では以下のように記載されています。

「平均の定義と基本的な性質の認識」の正答率は76%.調査対象となった大学生の4人に1人が,平均の意味を正しく理解していない.

報告は確かに正しいのですが、この問題を見てみると以下のようになっています。

問1−1 平均の定義とそれに関する初歩的な推論

ある中学校の三年生の生徒100 人の身長を測り、その平均を計算すると163.5
cm になりました。この結果から確実に正しいと言えることには○を、そうで
ないものには×を、左側の空欄に記入してください。
(1) 身長が163.5 cm よりも高い生徒と低い生徒は、それぞれ50 人ずついる。
(2) 100 人の生徒全員の身長をたすと、163.5 cm × 100 = 16350 cm になる。
(3) 身長を10 cm ごとに「130 cm 以上で140 cm 未満の生徒」「140 cm 以上で150 cm 未満の生徒」・・・というように区分けすると、「160 cm 以上で170 cm 未満の生徒」が最も多い。

問題をみると、平均の計算を解く問題というより、タイトルに記載されている通り、は、平均を利用した推論の問題です。これを平均がわからないと言い切ってしまうのはどうですかね。