TBT協定-WTOからの制限、政府が調達するときには国際規格に沿っていること

国際標準、たとえばISO, IEEEなどは日常生活で気にすることは少ないが、いつのまに過疎の影響を受けている。

Felica-Sony方式をSuicaに導入した際に起きた問題を簡潔にまとめている。

JR東日本Suicaに載せるICカードとしてSony-Felica方式を採用しようとした。JR東日本自体は民間会社であり、自分が使う規格について影響を受けることは公式にはないはずである。

これは部分的に正しくない、正確には”国内からの影響”を受けることはない。

WTO加盟国はさまざまな制約で縛られている。これらの制約により加盟国同士の公正な貿易を促進する。WTO加盟国である日本もその制約に従い、物事を進めていく。

制約の一つにTBT協定がある。この協定は政府あるいはそれに準ずる組織が調達するときには国際規格に従った規格を採用するという制限である。

ここで最初のSony-Felica方式である。この方式は当時非接触ICカードの国際標準には入っていなかった。JR東日本が調達をかけようとしたところ2000年7月に海外の会社からWTOに対して異議申し立てがついた。

JR東日本としては国際規格であるISO/IEC-14443-2を採用するか、Sony-Felica方式を国際規格にするしかない。

この時はSony-Felica方式を国際規格にした。しかし通信部分だけであったために14443には採用されず別の規格が制定された。これが2004.3 ISO/IEC18092である。

現在携帯端末の非接触ICカードの企画は14443-2が標準になっている。18092として登録したつけがいま回ってきており、FelicaがヨーロッパやUSAで幅広く国際的に使われることはかぎりなく難しいといえる。

スマートフォンにおけるFelicaの分析については以下が詳しい。