「本当の国語力」が驚くほど伸びる本
「国語力とは論理的思考力である」。「論理的思考力」は3つの力からなりたつ。
- いいかえる力
- 比較する力
- たどる力
「論理的思考力」はばらばらな考えや言葉を整理し関連付けるための力である。
「論理的思考力」が誰かに伝えるために使われる。その誰かが自分かもしれない。伝えるときの手順は次のいづれかに集約される。
- まとめる・こまかくする
- 比べる
- 原因と結果を伝える
言い換える力とは具体化と抽象化。
- "AつまりBである"ときAは具体的であり、Bは抽象的である。
- "A例えばBである"ときAは抽象的であり、Bは具体的である。
- "AというBである"ときAは具体的であり、Bは抽象的である。
抽象化と具体化は相対的なレベルをそろえて文章にする。
いいかえの練習はいくつかある。基本的なところから。
- いくつかの具体例から抽象化する。また抽象化から具体例を選択させる。必ず具体化<->抽象化の両方向を一セットで練習すること。
- 具体例に抽象した言葉をまぜておき仲間外れを探す。
- 間違えた時には"つまり", "例えば", "という"を使って文章の意味が通るかを確認する。
応用としては文章を使う。
- 一文要約をする。一文要約では主語と述語を抜き出す。コツとしてはまず述語を抜き出し→主語を探す。また日本語では文章の先に重要なことが述べられているので文章の下から探していく。
- 抽象的な言葉を教えるときには具体的なストーリーと一緒に教える。またその反対語も合わせる。
- 漢字がもつ抽象的な意味から、熟語の意味を教える。
試験での応用
- 選択問題では選択肢もしくは本文をいいかえしてぴったりくる選択肢を選ぶ。
- 課題作文は課題→抽象化→具体化の手順もしくは課題→具体化→抽象化で文を進めていく。ただし抽象化部分が結論になる。
比べる力は"対比"である。対比には"正反対"と"ワンセット"がある。"正反対"は2通りしか選択肢がない。"ワンセット"はいくつかの選択肢から2つを抜き出している。
対比は"それに対して"という言葉でつながる。
基本の練習としては"Aそれに対して"を問題として作り"Aそれに対してBである"と文章を完成させる。
対比に使う言葉としは以下が利用できる。
- 一方で
- しかし
- ではなく
ただし"しかし"は逆接とでも使われるので注意すること。
対比するときには比べる観点を意識する。自分で軸をつくり比べるものがその軸上どこに位置するかを図にしてみるとわかりやすい。
応用として小論文を4段落で練習する。
- 比べるメモを用意する
- 一行目: 結論
- 2行目/3行目: 比較
- 4行目: 結論
次に型を使って練習する。
- 一行目: AとBの共通点C
- 2行目: しかし一口にCといっても違いがある
- 3行目: 違いの具体化
- 4行目: 結論
たどる力の基本は"だから""なぜなら"。
文章がただしくたどれるかを検証するためには逆にたどってみる。文章が"だから"なら"なぜなら"で逆からたどってみる。
たどる力を練習するには、2つのキーワードを使って文章を"だから"と"なぜなら"で作ってみる。キーワードを抽象化すると難しくなる。
理由は別の言葉でも表現されている
- からである
- なのである
物語は心情語でたどる。具体的には、事実→心情→セリフ・行動。