定義するということ(2)

この記事は前回の定義すること(1)の続きです。

論点のすり替えと限定
エッセイと密接に結びつく論理的思考については最近でこそはやっていますが、小学校などの早めの時期からの教育は行われているという言いがたいものがあります。

このため、1)論点のすり替え 2)論点の限定などが無意識に行われてしまい結果として悪い点を取ってしまうこともあります。

車の例ですと 車について定義せよというときに、
ベンツとロールスロイスの比較について述べることは論点がずれていますので、1)の論点のすり替えと言えるでしょう。またベンツの特徴について詳細に述べるだけならば2)の論点の限定と言えるでしょう。
ただしどちらの説明についても”それで終えるならば”というただし書きがつきます。
ベンツとロールスロイスの比較から共通の属性を抜き出して、車という概念に結びつける、あるいはベンツの特徴からあるべき車の特徴へと結びつけるならば、車を定義するといえます。

◇定義するという問題に対するテンプレート
定義するという問題が出た場合にはいくつかのテンプレートが考えられます。個人的には1)がもっとも望ましいのではないかと思いますが、文章を補完するあるいは文章の量を増やすという意味で2)〜4)も有効ではないかと思います。

1)クラス+特徴
これは対象がどのクラスに属し、さらにそのクラスの中でどのような特徴があるかを述べます。
例えば車の例ですと、クラスとしては乗り物、特徴としてはガソリンで動くことが考えられますので、以下のような内容が考えられます。
「車とは、乗り物であり、ガソリンで動く」

2)対象の例についての特徴を調べて定義に結びつける
説明すと難しいのですが、車の例をとりますと、要するにロールスロイスの特徴を調べて車という概念に結びつけるということです。以下のような感じでしょうか。
ロールスロイスはイギリスで生まれた高級車であり、、、ロールスロイスから車全体の特徴を抜き出してみると、、、がある」

3)比較することにより車の定義を結びつける
これはロールスロイスとベンツを比較することにより車の定義へ結び付けます。
ロールスロイスとベンツは以下の点で類似しているが、以下の点では異なる。この比較から車が持つべき特徴について述べると以下のようになる。。。」

4)類似したものから、車の定義に結びつける
2)および3)は車というクラスの中から車を定義するための材料を述べましたが、より範囲の広いクラス、例えば乗り物というクラスから車の定義に結び付けます。
「車は乗り物というクラスに属する。このクラスには自転車、バイク、船が属するが、それらの特徴は、、、である。車には以下のような特徴がある。。。」

◇テンプレートの重要性
エッセイの問題が難しい理由に、単語などではなく、エッセイ全体が構築できないことがあると思います。エッセイ問題出てくる単語には特徴がありますので、それらの単語に対応してテンプレートを自分自身にストックしておけば、回数をこなすことで次第によいエッセイが書けるのではないかと思います。