レジデンス

MBAコースについてよく聞かれる質問で、「入学資格」「試験」「勉強方法」に並んで多いのが「レジデンス」です。

「レジデンス」についてよくわからないという人のために説明しますと、通常Distance Learningであっても、年に1〜2回ほど、1〜2週間にわたりその学校もしくは指定の場所で泊り込みながら授業を受けるシステムがレジデンスと呼ばれます。

レジデンスは卒業をするために必須なコース、どちらでもよいコース、レジデンスがないコースと分かれます。

ヘリオット ワットは基本的にレジデンスはありませんので、入学〜卒業までまったく学校(英国)を訪れる必要ありません。たまにレジデンスがないからヘリオットワットがよいという話を聞きますが、私はレジデンスには参加できるなら、参加したほうがよいかと思います。

レジデンスはもともと通学コースと比べた場合の、通信教育のデメリットを補うために実施されています。そのデメリットには以下があると考えます。

・モチベーションの維持
通信教育は一人で勉強していく時間が長いので、なかなかモチベーションを長期にわたり維持するのが難しいのではないでしょうか。また通学ですと時間になれば強制的に教室で授業が始まるのですが、通信では自分で時間を見つけて勉強しなければなりません。ペースが決まるまでは、この「時間を見つける」という行動はなかなか取りにくいものです。またペースが決まっても、例えば仕事、飲み会などでついついサボってしまいます。

・知り合い
MBAコースの利点の一つに異なった業種の知り合いが広がるということがあります。MBAではありませんが、大学時代の知り合いと会社を創業したという有名な例では、YahooのJerry Yang氏とDavid Filo氏がいます。

・ディスカッション&プレゼンテーション
人の前で自分の意見をのべる、人の意見と自分の意見をあわせながら知識を広めていくという行為はやはりクラスルームで実際に練習してみないとなかなか身につきません。MBAにとって新しいアイデアを短い時間で人に認識してもらうためにこの技術は必須です。
Elevator pitch

・教室で授業を受ける雰囲気を味わう
最後になりますが、これは技術というよりは感傷的なものかもしれません。社会人になるとなかなか教室で勉強を受けるという機会は少なくなります。研修などを受ける機会というのはあるかもしれませんが、やはり大学(海外でなくとも)でアカデミックな雰囲気の中受ける授業は格別なものがあるのではないでしょうか。

レジデンスは通信教育だけでは身につかない上記の点を補うために実施されます。ヘリオット ワットの場合に確かにレジデンスはありませんが、初めからレジデンスがないというコースを選ぶのではなく、あくまでもレジデンスへの出席可能性(時間、場所など)を考慮したうえで、レジデンスのある、なしを考慮してMBAコースを決めたほうがよいのではないかと思います。